一枚板とは≪ブログ≫
⇒一枚板とはいったい何?
このページでは 一枚板とはいったい何なのかを説明します。
一枚板の定義は曖昧なのですが、「継ぎ目がない一枚の板」 というのが一般的な定義だと思います。幅広の大きなテーブル用の板も一枚板ですが、幅10cm程度のフローリング用の板も 「一枚板」 と言っても間違いではありません。
テーブル用の大きな一枚板は 「幅広一枚板」と言って区別したほうがわかりやすいかもしれませんね。
「一枚板」と言えば大きなテーブル用の一枚板を連想しますが、その他建築用にも昔からたくさん使われています
一枚板の魅力は何と言っても継ぎ目のない揃った木目、人工的に作り出すことができない自然の木目は「癒し」を与えてくれます。また虎杢や縮み杢等の特殊な木目は華やかさを与えてくれる場合もあります。食卓に使った場合は料理がおいしくいただけると評判です。
この一枚板、直径90m程度になるまでどれぐらいの期間が必要かというと成長の早さは環境によってまちまちですが最低でも100年以上は必要です、吉野材の人工林なら200年以上はかかると思います。 直径90cmの丸太で幅80cm以上のテーブル板は6枚程度しか取ることができません。それだけ「幅広一枚板」は貴重なのです。
⇒一枚板とは言えない物
・集成材
写真のようないわゆる縦継ぎや横ハギをたくさんしている板です。積層材とも言います。 今は様々樹種で作れられています。一枚板に比べて反りや収縮が少ないのが特徴、幅広材でも比較的安価です。日本では集成材=安物と言われていますが、エンジニアーウッドと呼ばれ高度な設備を有さないと作ることができません。欧米では高級家具に使われることも多いそうです。(日本と少し価値観が違う)
・幅ハギ板
幅ハギ板は集成材と違って縦継ぎはせずに幅方向に横ハギのみしている材料を言います。集成材より高級に見えるので意匠を重視するテーブルトップや家具の材料には最適です。一枚の幅が広くなればなるほど一枚板に近くなり高級感も増します。既製品は少なく特注で作る場合がほとんどです。幅ハギのやり方にもよりますが、一枚板と同じように反りが発生する場合もあります。
一枚板と違って幅ハギ板は「幅」を自由に作り出すことができます。店舗用テーブルには安価でサイズの自由も利くのでお勧めです。
グリーンフォレストでは幅ハギ板の製作ももちろん自社で行っています。
・化粧貼り集成材
一見、一枚板のように見えますが、表面に薄い突板を貼り付けた集成材です、積層材のように縦継ぎやよ横ハギが目立ちにくいのが特徴、ただし、小口部分に突板や無垢材を貼り付けて芯材を隠さないといけません。 いわゆるフラッシュ家具に多用されます。一枚板や幅ハギ板に比較して収縮や反りが発生し難いのが特徴です。家具用の単板は薄いタイプが多い(0.2~0.3mm程度)のでですが、厚突きと呼ばれるタイプは無垢材の質感に近いので無塗装やオイル仕上げでも使用することができます。薄いタイプの突板はラッカーやウレタン塗装で被膜を施した方がよいとされます。
⇒無垢材と一枚板の違い
一枚板はは無垢材の一種ですが、無垢材=一枚板ではありません。無垢=内部がしっかり詰まった材料のことです、集成材や幅ハギ材もいわゆ無垢材と言っても間違いではありません。 化粧貼り集成材は一般的には無垢材と言えません。
⇒一枚板の価値とは
一枚板の価値は何によって決まるのか、たくさんの要因がありますが、一番大きな要因は 「樹齢」だと思います。樹齢=太さ と言っても間違いではありません、理想的には樹齢が大きく幅も広いのが良しとされます、高樹齢で幅が広くなると年輪幅が小さくなります。年輪幅の小さい一枚板のほうが反りや暴れ、収縮が起こりにくい板となります。
次に節があるかないかですが、節がない方が良質とされます、節は割れや暴れの原因になります。人工林の場合は枝打ちは密植で節のない材料が人工的に作り出しています。
直材が曲がり材がか、直材のほうが価値が高いと言えます。
割れや傷がないか、割れや傷がなく綺麗な板が価値が高いといえます。
色目、樹種によりますが、杉なら淡いピンク色、栃は白い色が良質とされてます
産地、例えば杉は吉野や秋田杉等が良質とされます。
希少性、近年減少傾向の樹種、栃や桜等は高値で取引される傾向にあります。
杢、玉杢や縮み杢等、意匠上美しいと思われる特殊な木目は高値で取引されます。
↓杢の代表格 欅の「玉杢」
⇒一枚板の様々な用途
一枚板の用途はたくさんありますが、1:家具用 2、建築用 3、工芸用 の3つが主です。
その他 料理用(まな板等) 等。
1:家具用 テーブルの天板やベンチ、椅子の座板等、各種棚板に使用されます。棚板等は幅の狭い一枚板でも使用可能です。
2:建築用 代表的な使われ方は床の間の地板が多いのですが、和室の減少により最近ではカウンターや棚板、式台等に使われることがほとんどです。古くは建具の戸板にも使用されてきました。
3:工芸用 挽物、刳り物、茶道用具等、栃や欅の杢板、桑や、黒檀、紫檀等が昔から使われてきました。
⇒一枚板の選び方
・樹種
一枚板の樹種は外国産材を含めると100種類以上あると言われています。 その中でどの樹種を選ぶかは難しい判断です。それぞれの樹種で色、木目、硬さ、希少性、価格、暴れやすさが違うからです。 弊社の場合は身近な国産材、欅や栗、楠、杉、ヒノキ、桜等を選ぶ方が多いように思います。なにがしら愛着のある木を選ぶというのも1つの方法です、奈良県出身の方は吉野杉、桜が好きな方は山桜 なんてのもいいですね。
・サイズ
一枚板のサイズ選びは重要な項目です、大きすぎる板を設置すると通路(動線)が確保できませんし、小さいと貧弱なイメージになってしまいます。特に新築予定のお客様は図面上でサイズを見ていると実際入れると大きすぎたり小さすぎたりということがしばしばあります。できればお家が完成してからサイズを検討したほうがよいと思います。 4人用では1200~1500幅程度、6人用では1800~2100程度が使い安いとされています。奥行は家庭用ダイニングテーブルの場合800幅以上はあったほうがよいですが、一枚板は幅が広いと高価になってきますので予算とご相談の上検討するのがよいと思います。
・価格
一枚板の価格は 安いものから高いものまで幅がかなりあります。少し欠点のある材料ですとかなりリーズナブルです、逆に全く欠点のない板で幅の広い材料は高価です。一枚板より安くする場合はハギ板をお勧めしています。欠点のある幅の狭い一枚板より、欠点のない幅広のハギ板のほうがはるかに実用性があると思います。 価格については板だけでなくテーブル脚や椅子、ベンチ等トータルに考えていく必要があります。
・形状
一枚板の形状はまっすぐな板から曲がった材まで1枚1枚が個性豊かです、既製品ではできない一枚板の特徴の1つなのですんなりしたまっすぐな板よりわざとカーブした愛嬌のある板を選択されるお客様が多いと思います。樹種によっても形状に特徴があります、杉やヒノキの針葉樹はまっすぐな材が全般的に多いのですが、栃や欅等の広葉樹はカーブした材が多いのが特徴です。
・表面硬さ
表面の方さは広葉樹が硬くて、針葉樹は柔らかいのが特徴です、ただ、硬い広葉樹でもいずれは傷がかなり付くので硬さについてはこだわりすぎないほうがよいと思います。無垢材の利点として傷がついても削り直しができることができるからです。傷や汚れも一枚板の特徴として楽しんでつかうのも1つの方法だと思います。
・重量
針葉樹より硬い広葉樹のほうが重量が重いのが特徴です。頻繁に動かす座卓等の場合は軽めの針葉樹がよいと思います。また厚みを薄くするのも方法の1つです。思い一枚板を設置する場合、床の補強が必要ですか と質問される場合がありますますが、その必要はありません。2m程度の一枚板の場合は重くても人間2人分程度の重量です。
⇒一枚板の流通
一枚板の流通は全国にある木材市場が主になっています。 山林→素材生産業者→原木市場→製材業者→製品市場→木材業者→小売り家具業者、となりますが、弊社の場合は原木市場または製品市場での買い付けとなります。 市場での買い付けは木材事業者のみしかできない場合がほとんどです。弊社ではできるだけ中間マージンをカットしてリーズナブルな価格で提供できるように努力しています。
⇒一枚板の流行
現在の流行はウォールナット系のシックな色合いだと思いますが、お家の雰囲気に合わせて白系統の栃や中間色の欅を選択される方もたくさんいらっしゃいます。基本的に流行は気にせずご自身の好みの一枚を選択されるのがよいと思います。
⇒一枚板って高値の華?
一枚板は高すぎて手が出ないと言われる場合が多いのですが、一枚板は使い捨てではなく代々受け継いでいくつもりでお買い求めください。一枚板は作り変えが可能です。テーブルを座卓 とか座卓をテーブルにとか、テーブルをデスクやTV台に作り変えたりすることも可能です。引っ越しをして大きすぎる場合はカットも可能です。 シンプルな造りの一枚板テーブルだからできる技です。長く使うことで1年あたりの金額は安くすることができます。